【お葬式】HDB下で行われるお葬式に参列した話

先日、シンガポール人の友人のおばあさま(アンマ)が85歳で亡くなられました。

亡くなられたその日にお通夜、翌日にお葬式があり、「その時間帯に都合が合えばよかったら来てね」と葬儀詳細とともに友人から個人メッセージが送られてきました。


誰にとっても大切な存在であるおじいちゃん、おばあちゃん。

日本では友人の祖父母の葬儀に声をかけられたことはなかったため、実際に筆者が行って良いものなのかすら分からず、戸惑いました。

ただ、友人が”お祈りに来たら違和感のある人”にメッセージをわざわざ送るはずがなく、家族を大切にする中華系の文化を考えるとこういうものなのだろうと思い、思い切って一人で参列してきました。

これまでシンガポールで葬儀に関わることがあるとは想像したこともなかったため何人かシンガポール人に相談して教えてもらった内容も含め、書き留めておこうと思います。(どなたかの参考になれば幸いです)


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1.シンガポールの一般的な葬儀会場

2.お香典

3.服装

4.筆者の体験談と友人のアドバイス

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1.シンガポールの一般的な葬儀会場

「一般的な」と書いていますが、宗教も民族も多様なシンガポールです。あくまで中華系シンガポール人の風習と思って読んでいただければと思います。


日本でもお葬式が葬儀会場やホテル、お寺、自宅で行われる等、あり方は多種多様ですが、

シンガポールではHDB(公共団地)の1階にある屋根付き広場で行うことが一般的です。

なぜ屋外で葬儀を行うか。シンガポール特有の場所問題もあるかもしれませんが、故人が自宅に触れると霊が残ってしまうというような迷信があるためでもあるようです。


専門業者が白いシートで横を見えづらいように覆い、大きい円卓とその周りに椅子をいくつも並べて設営をします。一番奥に故人の棺を配置し、周りには弔花が飾られています。

6〜8人で囲める白を基調とした丸テーブルと椅子がいくつか並べられ、そこにはナッツやスナックが置かれています。

お通夜、お葬式があり、その間真夜中も遺族が交代しながら場所を守ることになっているようです。

筆者の場合、お葬式の日は10:00〜22:00の間に参列が可能ということで案内を受けたため、平日の昼間は参列者が少なそうと思い、昼間に伺いました。

あらかじめ友人に到着時間を連絡し、到着後は友人に案内してもらい故人に手を合わせました。その後は会場の隅の椅子に座り、お茶を出してもらいました。スナックを食べながら友人から故人の思い出を聞いたり、世間話をしたりして20分ほど滞在して帰りました。




2.お香典

筆者はどのタイミングで渡すか全く分からなかったため、手を合わせてから友人と席についてお話ししている際に現金を手渡ししました。

友人が忙しい場合は受付のようなところにあるBoxに現金を入れ、横に置いてあるノートに名前と金額を書き残すことが一般的なようです。(筆者の場合は筆者手渡し後、友人がノートに筆者の情報を書いていました)

驚いたのは現金を持参する場合は封筒が不要ということ!相談した別の友人を信じきれず、文具屋に駆け込んで店員さんにもお香典用の封筒が欲しいと相談したところ、そのまま渡すものだから購入不要と言われました。

また、葬儀について連絡を受けたものの参列できない場合はpay nowでのネット送金が一般的なようです。


金額について、筆者は知人のシンガポール人にいくら用意すべきか聞いたところ、10~20ドルでいいよと言われましたが、30ドル用意しました。

中国人の友人も中国でも友人の祖父母が亡くなったら少額を送ると教えてくれました。精神的にも金銭的にも大切な人を失ってしまった「遺族を見舞う」文化なのだと理解しました。




3.服装

暑い国で屋外で行うお葬式。遺族の服装は白か黒のTシャツに短パンあるいはジーパン等のパンツを身につけていてラフな感じです。カジュアルな見た目のため、近所のHDBで葬儀が行われているのを初めて目にした際は何かのパーティーをしているのかと思ったくらいです。

参列者の服装に関しては、筆者友人曰く、黒、紺、深緑等がベターなようですが、カジュアルな葬儀の場合はキラキラしていたり、露出が激しかったりしなければ周囲の目に付くことはないようです。(カジュアルかどうかは宗教によっても違うようで、キリスト教はカジュアル、仏教は重めとか・・・家庭によっても違いがありそうです)

筆者は紺色のワンピースを着ていきましたが、袖口に浮かれた絞りや水玉模様が入っているのが気になったため、同色のカーディガンを羽織って参列しました。




4.筆者の体験談と友人のアドバイス

*筆者の体験談

宗教的な信条は違えど、故人を思う気持ちや祈りの心は世界共通と勝手に思っている筆者は、クリスチャンの遺族でしたが、仏教のスタイルで手を合わせ、お祈りしました。

遺族を見舞う言葉として知っている英語が「I'm sorry」だけという筆者ですが、拙い英語で、友人に対してお悔やみの言葉と、外国人である筆者を”普通の友人”として連絡してくれたことにありがとうと伝えました。そしてそこからはおばあさんの生前の話を聞いたり、世間話をしたりして会場を後にしました。


*後日、筆者が疑問に思ってシンガポール人の別の友人に聞いた内容

・友人祖父母の葬儀に赴くのは一般的なことなのか

→とても仲の良い友達ならあり得るが、そこまで一般的ではない。ただ、声をかけてもらったのであれば行くことは自然。都合がつかず行けない場合は「葬儀終了までに」ネット送金すること。宗教が違う場合は、遺族の宗教が厳密な場合は参列を控えるケースもある模様。

・お金を渡す文化は故人と遺族である友人の間柄がどの程度であれば行うものなのか

→故人が父母、祖父母であれば友人を見舞う気持ちを表すという意味で、訃報を聞いた場合は葬儀に呼ばれていなくても送金するのが一般的。(マメな人とそうじゃない人がいるとように、個人差はありそうでした)


*まとめ

葬儀というものは親族としては故人のために行うものという気持ちになりがちですが、寂しくなってしまった遺族に寄り添う場でもあると強く感じました。

友人のおばあさまのご冥福を祈り、友人・友人家族の心に生き続けることを信じ、敬意を持って記事にしました。






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