【Geylang】欲を満たす街、ゲイラン②

シンガポール人の友達から聞いた話によると、ゲイランは「人間の欲を満たす街」「眠らない街」と言われているそう。


それは地元民に親しまれた安くて美味しいお店があるだけでなく、政府公認の「合法風俗街」が存在することが大きな要因です。


ゲイランで暮らす以上、治安の面でも一通り知っておきたく、人から聞いたこと・調べたことをまとめました。





===================

1.シンガポールの風俗事情

2.エリア・建物に関して

3.風俗労働者のビザ要件

4.まとめ

===================



1.シンガポールの風俗事情

シンガポール政府は治安維持のため、一定の条件を満たした風俗店の営業を認めています。

Ministry of Manpower, the Ministry of Health, and the Ministry of Home Affairsの管轄で

風俗店として営業を認めたお店且つセックスワーカーとしてのビザを取得している人のみ、売春が認められているという状態です。

風俗店の設立には少なくとも100万ドル(1ドル100円で計算すると、1億円)の資金必要だそうです。

日本と同じように街中で声をかける「立ちんぼ」は違法ということです。




2.エリア・建物に関して

ゲイランロードより南、且つLor20より西のエリアに「Brothel」があると言われています。

何軒あるのかは分かりませんが、政府公認の風俗店は一軒家のような建物に番号が振られています。

その数字は建物の外壁に直接書かれていたり、門の丸い電球に印刷されていたりと様々です。


コロナ後、一時期政府によって営業を禁止されていたようですが、2022年5~6月頃には再開していたようです。






3.風俗労働者のビザ要件

ビザ発給の対象者の大きな特徴は年齢と国籍が指定されていることです。

・21~35歳の女性

・中国、タイ、ベトナム、マレーシア、シンガポールの5ヶ国の出身者



ベトナム人が多いであろう風俗店。看板に「越南」という記載がありました。



他にも、従事者は定期的に健康診断を受けることが求められ、経営者に無断で退去する場合は500ドル(1ドル100円で計算すると5万円)の罰金が課せられる他、パスポートは警察が預かることになっているようです。


また、ビザの期間が終了すると帰国が言い渡され、数年〜一生シンガポールに帰国できないようになるほか、シンガポール国民との結婚は許されていないそうです。(筆者は従事者がシンガポール人の場合に関する情報を得られませんでしたが、おそらくシンガポール人の労働者はほぼいないのだと思います・・・)


コロナパンデミック前の月給は4,000~6,000ドル(1ドル100円で計算すると40~60万円)ということです。



上記のような内容からも分かるようにセックスワーカーにはあまり自由がありません。そのため、NGO法人がカウンセリング、ランチ会等を開催し、悩みや辛いことを誰かに共有できる場を作ったり、必要に応じてサポートを行ったり、第三者へ啓発活動を行ったりしているようです。

また、コロナ禍では収入が途絶えてしまった人に対して食事の配給や、大きな宗教団体(キリスト教等)の活動に参加することで社会との接点を作る取り組みもあったようです。




4.まとめ

ゲイランが夜の街であることから、同じコンドミニアムで暮らしているシンガポール人の友人に防犯について話を聞くと

「夜は危ないからゲイランロード周辺は一人では歩かない」と言っていました。

「行く場合は夫と行くか、複数人数で行き、スカートではなくズボンを履く。そして、決して路地には入らない。」

とも言っていました。

(以前タクシー運転手のおじさまにも同じようなアドバイスをもらったことがあるため、女性の読者の方は参考にしていただければと思います)


なぜ危ないか、それは合法売春だけでなく、

ドラッグを所持しているような人がいる可能性があるためだと聞いたことがあります。

(そのような事件が過去にあったのか、筆者未確認ですが)


シンガポールにはたくさんの防犯カメラ(CCTV)があり、

抑止力になっているため犯罪に巻き込まれる可能性は極限に少ないです。

が、巻き込まれてしまってからでは遅いため、夜道は気をつけることが鉄則です。

(大通りを複数人で歩く分には全く問題ないため過度に神経質になる必要もありません)


今回、合法風俗について調べようと思ったきっかけは、私の居住エリアに風俗があるからという理由だけではありません。

シンガポールの風俗史を考える際、シンガポール開拓後に最初に治安維持の側面で貢献した(=犠牲になっていた)女性たちは当時の貧困国の貧困層であった日本人(からゆきさん)だったためです。

(当時からゆきさんから人権を奪い、お金を搾取していたのはシンガポール(宗主国イギリス)ではなく「日本」そのものだったわけですが・・・)


シンガポールの性風俗に関する記事を読み漁っていた際、

「貧困が存在する限りこの連鎖(性産業)は止まらないだろう」というコメントを見かけました。

アメリカを筆頭に風俗がない国の性犯罪率はとても高い印象があります。

性産業が治安維持、貧困層のセーフティネットとして成立しているため肯定的に捉えられがちですが、

治安維持にしても、社会福祉にしても他に選択肢はないものかと複雑な気持ちになってしまいます。





〈参考〉

Instagram
@projectx.sg

↓ゲイランの街並み写真のブログ


コメント

このブログの人気の投稿

【カフェ】筆者イチオシ!一人で何度も通いたくなるカフェ3選!

【お葬式】HDB下で行われるお葬式に参列した話