【シンガポール・ナショナルデー】〜シンガポールで紀元節を知る〜

毎年8月9日はシンガポールの建国記念日です。

57年前の同日、マレーシアから分離独立し、初代首相となったリー・クアンユーが演説をしたそうです。


毎年7月2週目頃から8月末にかけて街が建国記念日のイベントムードに包まれるようで、

日本とは違う盛大な祝福ムードに驚いたため、ナショナルデーに関して感じたことをまとめました。


==========================

1.ナショナルデーとは

2.この時期しか見られない!国旗のフォトスポット3選

3.日本の建国記念日もかつては祝福していたらしい

4.まとめ

==========================


1.ナショナルデーとは

〜シンガポール建国の歴史〜

19世紀にシンガポールはイギリスの海峡植民地として開拓されて以来、イギリスによって平和・豊かさを享受してきました。

第二次世界大戦下、1942年に日本に占領された歴史を持って、シンガポールに住む現地の人々は日本からの解放・再びイギリスによる統治を望みます。(ただし、リー・クアンユーは国家としての独立を望んでいた。)

日本が降伏した後、1946年から再びイギリスの植民地となる。(同時期マレーシアはマラヤ連邦としてイギリスの保護管理下となる。植民地よりも自治権があるイメージ)

1963年、イギリス植民地時代が終了し、シンガポールはマラヤ連邦と合併する形で「マレーシア」となるが、圧倒的多数派のマレー人に優遇政策の影響で中華系移民は度々衝突するようになる。

57年前の1965年8月9日、中華系移民が多く住むシンガポールはマレーシアから分離独立する。

このように、イギリスから支配された歴史、日本に占領された歴史、マレーシアで多くの国民が政策上差別にあった歴史があるため、シンガポールの建国(独立)は人々にとって意味のあるものでした。



〜ナショナルデーのイベント〜

(1)音楽

国歌以外に毎年、ナショナルデーを祝うために、有名なアーティストがナショナルデーを祝う曲を書き下ろすそうです。

シンガポール人の友人から聞いた話だと人気の年の曲はその年以降も人々が聴くんだとか。

2008年の曲は人気だったようです。

2022年ver.

2008年ver.



(2)街中にフラッグを飾る

公道、HDB(公営団地)やショッピングモール、歴史的な建物等、あらゆる場所で国旗が飾られます。(有名なフォトスポットは下部にてご確認ください)


(3)当日のイベント

軍事パレード、航空ショー、花火等がマリーナベイ周辺+国内数カ所で執り行われます。

私はマリーナベイサンズから花火を見ました。人生で一番至近距離で見た花火になったと思います。大きくて迫力がありました。また、観光客が多く、花火を見るときの反応が国籍によって違う雰囲気も面白かったです。(帰り道は電車に乗るまでが大混雑で大変でした)




〜シンガポール人のナショナルデーの過ごし方〜

日本と同じでシンガポール人の中でもナショナルデーに対しては人によって温度差はあります。(移民も多い国なので当然か・・・)

パレードは各地で行われますが、メイン会場のマリーナベイ付近は特に混雑するため、当日のパレードはテレビで見るのが一般的だそうです。

観覧席からパレードや航空ショーを見るには政府のHPから応募した人の中で抽選で当選しなければ見られません。ただし、シンガポール人には人生で1度は平等に見られるように11歳の年の年齢の児童を招待する制度になっているようです。





2.この時期しか見られない!国旗のフォトスポット4選

毎年、ナショナルデー前後1ヶ月ほどは、街中のいたるところに国旗が掲げられます。

紅白2色でお祝いムードに包まれる雰囲気はとても不思議な感じがしました。

私が行った場所を含め、インスタグラムでよく見かけた有名スポットを中心に紹介します。


(1)Selegie House 

Little Indiaから徒歩5分ほどのHDB(団地)は毎年恒例行事として

建物一面に国旗が飾られます。とても見応えがあるので行く価値有りです◎
https://goo.gl/maps/FykDLWSScZyQJP8aA


(2)National museum of Singapore

ナショナルミュージアムは1849年からの歴史を誇るシンガポール最古の博物館です。(*設立当初はRaffles library and museum/現在の建物は1887年に移設した際のもの)
ナショナルデー前の1週間ほど、プロジェクションマッピングで真っ白な洋館が国旗模様にライトアップされます。
また、8/9当日は無料開放していたようです!
(筆者夫婦は人混みが苦手なため、無料開放していない時に行く予定にしています)

https://www.visitsingapore.com/ja_jp/see-do-singapore/history/history-museums/national-museum-of-singapore/


(3)Istana Park

イスタナ・パークはイスタナ(マレー語で「宮殿」を意味する)と呼ばれる大統領官邸の正門の目の前にある公園です。

オーチャードロード沿いにあるので立派なフラッグは目を引くことになると思います。

(筆者は繁華街であるオーチャードに行くと疲労困憊になるためここ3ヶ月行っておらず見れませんでした・・・)



(4)Guan Yin Temple

トアパヨにあるシンガポール最古の仏教寺院で中国南部の伝統的な様式の建物になっています。入口から奥に進むと7階建ての塔があり、青空に向かって聳え立っていました。

アクセスはイマイチですが荘厳な仏教寺院を見学できるいい機会と思い、行きました。

バス停から遠く、歩く距離が長いので真っ昼間に行くと体力を奪われるのでお気をつけください・・・。

Guan Yin Temple 觀音殿 
https://goo.gl/maps/3PSzJ7giYNaTosix6 





3.日本の建国記念日もかつては祝福していたらしい

現在、日本の建国記念日は2月11日と定められています。
筆者は建国記念日に対して何かをすることはなく、
ただ祝日として休暇を得たことにしか喜びを見出していませんでした。

筆者が日本にいる母と電話した際にナショナルデーの話をしたところ、日本の建国記念日の話になりました。
戦前は建国記念日を「紀元節」と呼び、祝っていたという祖母の話を思い出したように話してくれました。紀元節の歌があり、毎年歌っていたそうです。(祖母は終戦時10歳くらいでした。)


〜「紀元節」とは〜
「建国祭」とも言われ、日本の始まりとなる「神武天皇が即位した日」を祝う日。
明治政府発足後、江戸時代には藩の集まりだった日本や明治政府、皇族を
国民に国として認識させ、求心力を高めるために西暦に変換して2月11日に制定した。
明治6年(1874年)に制定されたが、戦後GHQの意向により1948年に廃止となった。





4.まとめ

国をあげて建国記念日(独立記念日)を祝う雰囲気。
仮にシンガポール政府が国の求心力を保つために行っているものだとしても
支配されていた歴史があるからこその喜びや自国を大切にする気持ちが現れている感じがしました。日本にはない歴史があるからこその文化です。

日本は島国として国の輪郭が曖昧なまま、長い時が流れている面があるため、
なかなか国が在ることへのありがたみを実感する機会がないようにも思います。


起源節についてネット検索し、上位のページをさらっと閲覧したところ、
現在、神社庁や右派の人の中には紀元節復活の意見があるそうです。
そしてその議論に関して、共産党のHPには「断固反対!!!」と明記されていました。
理由の中に、「政教分離」と「信教の自由」が掲げられていました。
私は「神道」に関しては宗教というより、日本人古来の「心」「精神」という方がしっくり来ているため、共産党の主張はいまいちしっくり来ませんでした。(共産党の人はお正月は神社にお参りしないのでしょうか・・・!?)

たとえ「古事記」が伝説であっても、国家が2000年以上も続いている国は世界中に日本以外どこにもありません。
強い愛国心は戦争を生む、その歴史も含め、平和ではない世界の中で国(日本)が在ることについて考える時間があってもいいと思うようになりました。


コメント

このブログの人気の投稿

【Geylang】欲を満たす街、ゲイラン②

【カフェ】筆者イチオシ!一人で何度も通いたくなるカフェ3選!

【お葬式】HDB下で行われるお葬式に参列した話