【マラッカ】世界史から視る魅力と観光ポイント〜なぜオランダ広場はピンク一色なのか〜

2022年7月、世界文化遺産に登録されている街、マレーシアのマラッカ(旧市街地)へ行きました。

マラッカは高校生のときに一番好きな受験科目だった世界史の中で東南アジアの中心地として登場した場所でした。

縦割りで(国別に)王朝、政権、宗教、文化を覚えていたらマラッカを中心に東洋の歴史が横に繋がったことは印象的でした。

いつか行きたいと思っていたため旅行が実現して嬉しかったです。


暑かったですが、人々の熱気を感じる、充実した一泊二日を過ごせたので記録しておきます。



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1.マラッカの歴史

2.マラッカへのアクセス

3.主要観光地と街の様子

4.朝食はコピとカヤトーストを

5.ナイトマーケットの様子

6.まとめ・購入品紹介

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1.マラッカの歴史

〈ひどくざっくりした年表〉

1400年頃:マラッカ王国が誕生してから、イスラム教を受け入れるなどして100年強繁栄する。

1511年 :ポルトガルの植民地になる

    (アラブ商人輸入していた香辛料を直接貿易で入手しようとしたことがきっかけ)

1641年 :オランダの植民地になる

1896年 :イギリスの植民地になる

1941〜1945年:日本軍が占領

1945年   :太平洋戦争終戦+再びイギリスの植民地になる

1957年〜  :イギリスから独立し、マレーシア誕生



〈歴史から視るマラッカの魅力〉

電気のない時代、香辛料は味付けだけでなく、食料の保存等に欠かせない物でした。

マラッカ海峡は香辛料を求めた西洋諸国が通過する航路として植民地支配される宿命にあったともいえます。


ポルトガル、オランダ、イギリスの3カ国から植民地支配を受け、

たくさんの物・人・文化の中継拠点となったため、今も街並みや料理から歴史を感じることができます。

実際、マラッカは土着のマレー人と植民地時代に渡ってきた西洋人だけでなく、

香辛料貿易を支えた中国人も定住するようになりました。


その中には労働者階級として渡ってきた華人もいれば、

中国から渡ってきて貿易商として活躍するため、

地元の有力なマレー人家族の女性と婚姻関係を結ぶことで地位を築いていった混血のエスニックグループである「プラナカン」もいます。


プラナカンの貿易商人として成功した華やかな文化は特に印象的です。

余談ですがプラナカンはマレー語で「その土地で生まれた子」を意味し、

マラッカ海峡植民地である、マラッカ、ペナン、シンガポールで繁栄しました。

プラナカン男性のことは「Baba」(マレー語由来)、プラナカン女性のことは「Nyonya」(ジャワ語由来)と呼ばれています。

マラッカのニョニャ料理については別記事にまとめる予定ですが、中華料理のような具材を使いながらも、

マレー風な料理で、様々な香辛料を使っていて、料理からもプラナカンの歴史を感じることができます。



〈豆知識〉

マラッカはアルファベットでMelakaと書きますが、中国語(漢字)では「馬六甲」と書くようです。

兵庫県の阪神エリア出身・阪神ファンの筆者は六甲の字面にとても親近感が湧きました。




2.マラッカへのアクセス

マラッカには空港がありません。そのため、車、バス、電車を使った陸路で行くことになります。


シンガポールからの行き方は3通りあり、

①車:片道3時間

②バス:片道4時間

③バス+電車+バス:片道5時間半


マレー半島縦断の鉄道旅とか憧れるなあ、なんて思っていた筆者ですが、

車かバスが圧倒的に便利ですね。

(鉄道はマラッカ州内に駅はあっても観光地の旧市街地には通っていないためアクセスに時間がかかるようです)


3連休初日だったため、朝5時半に家を出て、

シンガポール国境に5:50には到着していたのにマレーシア側の入国審査の関門がすでに渋滞で

ウッドランドからジョホールバルを渡るだけで2時間半かかりました・・・

国境を越える際は必ず直前にお手洗いに行っておくべきですね。(+水分をあまり取らないで正解でした笑)



↓シンガポール(ウッドランド)とマレーシア(ジョホールバル)の橋にて

 看板がマレー語に変わったので記念に撮りました。


3.主要観光地と街の様子

旧市街地はとてもコンパクトなため、行程を組まなくてもふらっと歩いて回れることが特徴です。

博物館や飲食店の時間や予約の可否だけ確認しておいて、暑さに合わせて休み休み観光するといいと思います。

(筆者夫婦は早朝に起きたため15:00にホテルのチェックインを済ませ、昼寝をしました。)



オランダ広場

⇨オランダのコロニアル様式の建物がある歴史的な広場です。

 中心にあるMelaka Churchはオランダが建設した際は真っ白なプロテスタント教会だったそうです。

 イギリス支配下になり、イギリス国教会の教会へと変わりましたが、

 なぜサーモンピンクに塗られたかについては理由は明かされていないそうです。

 イギリス人がガム感覚で噛んでいた植物(ビンロウ/檳榔)の色が沈着したためとも言われているそうです。





セント・ポール教会

⇨東南アジアで一番古いカトリック教会(跡)です。

 フランシスコ・ザビエルが日本で布教活動をする前に訪れた場所だそう。



Famosa要塞跡

⇨ポルトガル植民地時代に建造された要塞です。



Melaka Straits Mosque

⇨唯一旧市街地から徒歩で行きづらい場所です。タクシーで行くといいと思います。

 美しいマラッカ海峡と夕日を眺められるモスクです。

 私は日没時間(19:00前後)はレストランで並んでいたため、

 朝行きましたが人が少なくてお祈りの様子を近くで見させてもらえました。

 女性はヒジャブや腕〜脚を隠すための服の着用が求められます。




〈その他観光地〉

マラッカスルタンパレス(夕方の閉館時間が早くて逃しました)

マラッカイスラム博物館(時間がなくて諦めました)


ババ・ニョニャヘリテージ博物館

⇨マラッカで一番大きなプラナカンハウスの博物館です。

 残念なことに私が滞在した期間は臨時休業していました。


マラッカハウス

⇨目的だったババ・ニョニャヘリテージに行けなかったため近くにあったマラッカハウスに行きましたが

 プラナカンハウスの住居の様子が分かり、よかったです。

 *プラナカンハウスに関しては別記事にまとめる予定です。


ジョンカーウォーク

⇨屋根なし商店街のような通りでとても賑わっています。

 夜はナイトマーケットになるので昼と夜とで雰囲気が違うのも楽しいポイントです。

 常に歩道が観光客で混雑していますがお土産を買うのにも便利だと思います。


↓ジョンカーウォークの裏手の小道を散策しました

↓マラッカハウス近辺の通りはプラナカンハウスが立ち並んでいるため、住居の壁やタイルを見ながら散策すると楽しいです。



4.朝食はコピとカヤトーストを


朝食として点心や、ブランチでチキンライスボールを食べるのもいいと思いますが、

シンガポールで暮らしていても普段あまり食べる機会のないカヤトーストを食べに行きました。

コピ店は何軒もあり、入店待ちの列ができているお店もありましたが、

昔ながらの雰囲気のところで時間を過ごすため、「Lung Ann Refreshments」というお店に入りました。

(*コピとは、シンガポール、マレーシアで飲まれている甘いコーヒーのことを言います)


https://goo.gl/maps/Tn26G7ZcN4QeG2Uj8


↓コピとカヤトーストの写真。温泉卵に醤油を垂らした物をカヤトーストに絡めて食べます。

 相席したおじさまがくれた胡麻のお菓子も写っています。


ちなみに点心の人気店(名前忘れた)は臨時休業中、

チキンライスボールの人気店「和記鶏飯」は開店1時間前から長蛇の列ができていたため、

候補ではあったものの諦めました。


朝コピで相席した70代の中華系マレーシア人とはマレーシアや日本の食についてお話ししました。

日本に旅行に行ったことがあるそうですが、生魚(刺身・寿司)や生卵(卵かけご飯)を食べることが信じられない。バクテリアとか色んな菌が入っているから恐ろしくて食べられなかった。と言われました。

筆者は筆者でマレーシアやシンガポールで過ごして、衛生面でカルチャーショックを受けたことがあったため、

国や人によって衛生観念は全然違うものなのだと感じました。

マレーシアの話題では、

マレーバクテーを食べるならクアラルンプール、

ニョニャ料理を食べるならマラッカ、

また、マラッカグルメではチキンライスボールとサテー鍋もおすすめだと言われました。


余談:チキンライスボールのお話。

シンガポール料理として有名なチキンライスですが、マラッカでも親しまれ、たくさんお店があります。

ただ、マラッカでは労働者が多かったことから、すぐに口に含んで食べられるように、

ライスを一口サイズのボールにして提供するようになったようです。チキンライスにも歴史が隠れていました!!





5.ナイトマーケットの様子


昼間のジョンカーウォークとは雰囲気が変わり、夜になると道路の両脇にずらりと露店が並びます。

ニョニャ料理でお腹いっぱいになっていたので美味しそうなものが並んでいてお腹を空けておけば良かったと思いました・・・(マンゴージュースも安いから飲んでおきたかったです・・・)



暑かったため休憩がてらチェンドル(かき氷)を食べました。

シンガポールでもチェンドルは食べられますが、

ドリアンチェンドルのお店はマラッカにしかないようなのでドリアンペーストが乗ったチェンドルを選びました。

本物のドリアンが乗ったチェンドルの選択肢もありましたがお腹がいっぱいだったため断念しました、、、が、ペーストは臭みが強かったため、本物のドリアンの方が美味しいだろうと思いました。次回機会があればドリアンが乗っている方を選ぼうと思います。



ナイトマーケットは歩いて雰囲気を楽しむことを主としていましたが、

筆者はヘナタトゥー屋さんを見つけて書いてもらいました!!

場所は日によって変わると思いますが、オランダ広場方面から入ってすぐの辺りにありました。

基本的に手のみの対応で、シンプルなものだと20MYR(700円くらい)、

写真のように手首まで及ぶものは25MYR(900円くらい)ということだったので後者を選びました。

後から知ったのですが、マレー人は結婚式の時に手に豪華なヘナタトゥーをするようです!




6.まとめ(購入品紹介)


〈購入品紹介〉

写真のように食品を中心に少しだけお土産を購入しました。


・丸いカゴバック/70MYR

 ⇨2500円くらい。容量は小さいけど使う時に気分が劇的に上がるため良いお買い物をしたと思います。


・マラッカのマグネット

 ⇨夫と初めての海外旅行だったので、記念に一つ選びました。冷蔵庫に付けて飾る予定です。


・果物

 ⇨初めて見たサラック、シュガーアップル

  シンガポールにもあるけど食べたことがなかったポメロを購入しました。

  前者は甘くて美味しいけど人生一度の経験でいいかな、

  ポメロは柑橘なのに優しい甘さでまた食べたい!という感じの感想です。


・パイナップルタルト/15MYR

 ⇨1パック500円くらい。もっと買えば良かったと後悔するくらい美味しかったです。

  シンガポールでも似たようなクッキー?タルト?は売られていますが、

  大抵パイナップルジャムが使われているようで、

  マラッカのパイナップルタルトはパイナップルの繊維まで感じられて美味しかったです。


・TAMTAM

 ⇨シンガポールで見覚えのないスナックを買おう!ということで手に取ったお菓子です。

  蟹の香りと薄めの甘辛い味が優しくて美味しかったです。


・MAMEEのインスタント麺(spicy Chicken shiitake)

 ⇨MAMEEはマレーシアの食品メーカーで、マレーシアに行くと街のあちこちで看板を見かけることになります。

  クッキーモンスターに似た青いキャラクターが目立つのですぐに分かると思います。

  マラッカにはMAMEE 直売店舗があったため、買ってみました。

  椎茸のお出汁がしっかり出ていて美味しかったです。(珍しく?味付けは辛くなかったです)


・Kuih Bijian/4MYR

⇨100円ちょっとの胡麻の柔らかおかきみたいなものです。

 朝コピで相席したおじさんから頂いたものが美味しかったため、

 購入して持ち帰りました。おじさんありがとう。


〈感想〉

今回のマラッカ旅行は1泊2日(滞在時間は24時間)で行きましたが、

2泊3日でも楽しめるくらい、食も文化も充実した場所だと思いました。


コンパクトな観光地なのでついついずっと歩き続けてしまいますが、

水分補給と休憩はこまめに取るべきとも感じさせられました。

(シンガポールでは1日中外に出ることは滅多にないので、バテてしまいました)


コロナ前かのような観光客の数と人々の熱気、複雑な歴史を経た栄枯盛衰を感じる街並み、

食文化や空気に触れてとてもとても心躍る旅行になりました。

シンガポールと似てるかもなあ、なんて少しでも思った旅行前の私を叱りたいです。



【参考資料】

https://4travel.jp/travelogue/10691236

https://tekito-ru.com/travel/taiwan/binrou-eating




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